天海宇宙

ストレスによる鬱と診断された俺は何もやる気が起きず、ただただ酒に溺れ日々をやり過ごしていた。そんな怠惰な状況を知った親友の佐山は環境を変えてみろと引っ越しを提案、不動産屋勤務の強みで今の俺にピッタリな環境の物件まで探し出してくれた。親友に背中を押され、重い腰を上げ引っ越した先の大家は、最近ご主人を亡くしたばかりの麗しの未亡人だった。

最愛の妻・由紀子に先立たれて生きる希望を失っていた恭介のもとに、ひとりの若い女性が訪れる。「あの…この家、売ってくれませんか？この家、夢に出てきたんです…」女性はそう話し終えると突然意識を失ってしまう。動揺する恭介…しばらくして意識を取り戻した女性は、何故か雰囲気が違っていた。そして恭介にこう語りかける。「私、由紀子よ…」

トラック運転手だった悟の父親は、居眠り運転で交通事故を起こしてしまい親子三人を死なせてしまう。悟の父親は刑務所に、悟と母親は逃げるように引っ越しを重ね…そして事故から十五年の月日が流れた。 「母は…ある日…僕が学校から帰った時…自ら…あの、これ以上話さなきゃいけませんか？」資産家・高倉伊織からの執拗な採用面接に不安を覚えつつも破格な好条件を提示されて、ある仕事を引き受ける事にした悟は…

ある日の事、便利屋で働く若い男・真一は屋敷の掃除を請け負う。依頼先に到着した真一を出迎えたのは美しい大人の女性、ひかり。その日から真一は事あるごとにひかりに指名されるようになり、ひかりは決まって作業中の真一を見つめているのだった。次第にひかりの大人の色気に惹きつけられていく真一。…遂にはひかりに思いを打ち明け男女の関係に至るが、そこにはある真実が隠されていた。